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狩 ◆T0SWefbzRc 獲物は二匹。共に機体の動きがぎこちなく、如何にも馴れてないのが目に取れる。 機体の性能は未知数だが、中の人間があれならば問題はないだろう。しかし。 「何の冗談だ。あの小さいのは兎も角、あんなもんが空から降りてくるってのは」 立ち並ぶ岩山の梺に立つ巨大な白い機体。その影に隠れるように青い戦闘機。二機の機体が、そこには停留していた。 「移動しながら話せれば良かったんだろうけど、私、操縦に不馴れで。 機体の性能が良すぎて逆に手に負えないんです」 「ううん。私だって空を飛ぶ乗り物なんて動かしたことなかったし。それより良かった」 「何がですか?」 「最初に会った人が優しそうな人で」 最初に会った人。私が『ここ』に来て最初に会った人は…。 頭に浮かんだその姿を、黒髪の少女、カティア・グリニャールは胸の奥にしまいこんだ。 「私も良かった。ここであなたのような子に会えて」 死んだ人間の事を持ち出しても徒に不安を煽るだけ。 ましてやそれが自分達と同じくらいの少女というなら、尚更に。 注意を促す為にはいつかは話した方がいいんだろうけど、それは今じゃない。 出来る限り相手の少女を安心させてあげられるように笑顔を作り、カティアは言葉を続けた。 「ソシエさん、でいいんですよね」 「ソシエ、って呼び捨てでいいわ。アナタの方が年上みたいなのに、何か変だもの。その敬語も」 「じゃあ、ソシエ」 「うん。カティア」 こんな簡単な事でも、モニターの向こうの栗毛のショートカットの少女は嬉しそうに笑っている。 あの少女も、生きていればきっと。 「本当は機体から降りて話しが出来ればいいんだけど」 「しょうがないよ。他に誰かいるならいいけど、私達だけじゃ降りちゃったらもしもの時心許ないし」 「そうね」 「そんな顔しないでよ」 言われて気付く。相手を安心させようと笑いかけたのに、こんな些細なことでそれを崩してしまっている自分に。 「ほら、建物も近いんだし。きっと、あそこに行けば他にも人がいるよ」 それどころか、逆にソシエに励まされていた。 「ふふ、ありがと。私の方がお姉さんなのにね」 「え、何?」 「貴方に会えて良かったってコト。」 「それ、さっきも聞いたよ」 「ええ、そうね」 どうやら、動くらしい。何故かここでは索敵機器が碌に働いていない。 自分の仕事くらいキチッとしろってんだ。機械に言っても仕方の無い事だが。 うまく岩山に隠れればあんな連中やりすごすのは訳ないが…。 「それじゃあ面白くねぇな。一丁仕掛けるか」 言いながら、このゲームの中の殺戮者、ガウルンは岩山から飛び出した。 『チッ、ウマくねぇな』 辛うじて繋げた通信の向こうで、下打ちが聞こえた。 「いきなり、なんで!」 なんで?そんな事は解っている。 モニターに映る男の、心肝が冷えるようなドス黒い眼。 『なんでって、そんなモン』 男の乗っている、黒い機体の足が地面をえぐる。 まるで消えたように見える程の突進。 「クッ!」 カティアは相手の姿を確認するより早く、機体を変形させる。 『みりゃあ分かるだろうがぁぁ!!』 叫びとともに暗い影を引き連れ現れた悪魔は、ボーゲルの背後から手刀を振り下ろした。 「きゃっ!?」 『おっ!?』 しかし、それは空を切っただけだった。 戦闘機から手足が生え、奇妙に足間接が逆向きになっている状態、ガウォークモード。 カティアが変形させたその形態がホバー機能で地面を滑るように急発進しため、ガウルンの攻撃を運良く避けられたのだ。 「うっ、く…!」 なんとか変形は出来たが、それを操縦出来るかは別の話だ。 ましてや彼女は単独で機動兵器を動かした事は無い。 訳の分からないまま、フラフラと岩山から離れていく。 『なんだそりゃ、面白れぇな』 薄ら寒く笑うその姿を見て、これ以上無意味とカティアは男との通信を切った。 『カティア?』 刹那、ソシエとの通信が繋がった。 「ソシエ!大丈夫!?」 なんとか機体の操縦を持ち直し、大きく旋回させながら話を続ける。 『分からない、何なの!?』 少し前、岩山か突然飛来した黒い弾丸(言うまでもなく、跳躍しブースターを全開に噴かしたマスターガンダムである)が、ソシエのドスハードを貫いた。 そして、そのままボーゲルの方に向き直り、先の通信に入ったのだった。 「落ち着いて、大丈夫だから…」 視界の端に映る黒い影。カティアは操縦竿をデタラメに動かし、機体を無理矢理方向転換させる。 巨大な足が、尾翼をかすめて空を切った。 『カティア!!』 「大丈夫よ、心配しないで」 ソシエとの距離も稼げた。 このまま、機体を戦闘機形態、ファイターモードに移行させれば離脱出来るはず…! カティアはそう考え、操縦系に手を掛けた。 「おいおい、そう何度も外すと思ってんのか…」 男の声が聞こえた。通信は切ってあるから、おそらくオープンチャンネルで拡声しているのだろう。 「よォ!!」 「きゃあ!?」 耳障りな金属音が鳴り響き、機体が激しく揺れる。 「クク、つーかまーえ…」 「カティアァァーッッ!」 突然、地面に陰が落ちた。 「ソシエ!!」 「わあぁぁ!!」 ホワイトドールが上方から急降下し、ドスサーベルを突き下ろす。 「ちぃっ…!!」 ただのサーベルとはいえ、機体の体長差が二倍以上あるので当たれば致命傷は免れない。 男の機体は手を離し、大きく後ろに飛び退いた。 「今っ!」 カティアはそのままホワイトドールの急上昇に転じるのを確認するとともに、ガウォークを発進させた。 「よし!」 速度は充分。後はファイターモードに移行して…。 「きゃあっ!?」 機体が、突然ガクンと揺れた。 「捕まえたって、言ったろォ?」 機体後部を見ると、巨大な手が有った。 指の先端の、尖った爪のような部分が食い込み、ガッチリと掴まれている。 「ディスタントォ!クラッシャー、てかあぁぁぁ!!!」 男は腕から伸びる紐状のビームを思い切り引っ張り、ボーゲルをたぐり寄せる。 「カティア!」 それを見て、ソシエは再び降下しようとした。が。 『駄目っ!!逃げて!!』 それをカティアが制した。 『大丈夫、逃げるくらいなら私だってなんとか出来るから、行って!!』 「そんなこと…」 話す間に、黒い機体にボーゲルは引っ張られて行く。 どうしよう?どうしよう?どうする?どうしよう?どうしようどうしようどうしようどうしよう? 『逃げなさい、ソシエ!!』 夢中でホワイトドールを飛ばしていた。 気が付いた頃には太陽が地平に飲み込まれそうなくらいに沈んでた。 「なんで…」 なんで逃げてしまったのだろう。カティアを置いて。 立ち並ぶ建物、きれいに伸びた、石の道。 最初の予定通りの場所には辿り着けた。 「カティア?カティア…?」 当然、返事など返ってこない。 「ロラン?お姉様、ギャバン?」 そもそも居るはずもない。 「ねえ、誰か…」 暗くなってきた市街地を、片腕が欠けた白い巨人はただただうろつき続けるだけだった。 【カティア・グリニャール 搭乗機体:VF22S・Sボーゲル2F(マクロス7) パイロット状況:不明 機体状況:不明 現在位置:D-6 第一行動方針:ガウルンからの逃走 第二行動方針:仲間を集める 第三行動方針:統夜、テニア、メルアを見つける 最終行動方針:ゲームからの脱出】 【ソシエ・ハイム 搭乗機体:機鋼戦士ドスハード(戦国魔神ゴーショーグン) パイロット状況:茫然 機体状況:左腕を欠損、運用には支障なし 現在位置:D-7 第一行動方針:カティアの救出 第二行動方針:仲間を集める 最終行動方針:主催者を倒す】 【ガウルン 搭乗機体:マスターガンダム(機動武闘伝Gガンダム) パイロット状況:癌によりかなりの体調不良。やる気は十分。病状はなんとか戦闘可能な程度には落ち着いている。 機体状況:全身に弾痕あり。装甲がへこんだ程度なので戦闘は支障無し。DG細胞があるかは不明だが、現在は活動していない様子。 現在位置:D-6 第一行動方針:カティアをどうするか決める 第二行動方針:近くにいる敵機を攻撃 最終行動方針:皆殺し】 ※カティアがどうなったのかは次の作者さんお願いします。 本編65話 パンがなければお菓子をお食べ 本編73話 『歌』に振り回される人達 本編74話 堕ちた少女
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2011年4月14日発売の「第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇」の情報集です。 基本的にネタバレ自重しておりませんのでご注意ください。特に攻略備忘録の部分。 (画像(上):第2次Z破界篇 SPECIAL ZIIBOX/本体) (画像(下):ファミ通1/20号 第2次スーパーロボット大戦Z破界篇 特集記事表紙/電撃版攻略本) <リンク集> 公式ページ:http //www.suparobo.jp/srw_lineup/srw_z2/index.html 携帯サイト:http //wpp.jp/suparoboz2/ (携帯専用) Wikipedia:第2次スーパーロボット大戦Z (攻略wiki)第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇 まとめwiki:http //www44.atwiki.jp/srwz2nd/ <作品概要> <◆基本情報> 関連ページ:スーパーロボット大戦 No No.53 発売日 2011年4月14日 ハード PSP 定価 (通常版)7,329円(数量限定BOX)7,854円 開発 B.B.スタジオ 販売 バンダイナムコゲームス 主題歌 OP:NOAH/JAM ProjectED:願い/JAM Project 時系列前後 (No.52)スーパーロボット大戦L(※)第2次(ゲームアーカイブス)(※)第3次(ゲームアーカイブス)(※)EX(ゲームアーカイブス)(No.53)★第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇(※)第4次(ゲームアーカイブス))(※)新(ゲームアーカイブス))(※)F(ゲームアーカイブス))(※)F完結編(ゲームアーカイブス))(※)α(ゲームアーカイブス))(※)α外伝(ゲームアーカイブス))(No.54)魔装機神OGⅡ REVELATION OF EVIL GOD Zシリーズ (1)スーパーロボット大戦Z(2)スーパーロボット大戦Z スペシャルディスク(3・1)★第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇(3・2)第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇 <◆バンプレストオリジナル/味方サイド> 「スコート・ラボ」クロウ・ブルースト(声:うえだゆうじ):主人公。行きがかり上、ラボのテストパイロットとなる。『揺れぬ天秤』のスフィア・リアクター。 トライア・スコート:相方1。ラボの研究主任。 エスター・エルハス:相方2。研究所の居候→訓練生。ブラスタ:格闘優先/射撃優先に調整可能。 その他・現多元世界人エルガン・ローディック:「国連平和維持理事会」代表 シオニー・レジス(声:小林沙苗):「リモネシア共和国」外相/『★新帝国インペリウムに協力。』 カルロス・アクシオン・Jr.:「アクシオン財団」総帥/『★新帝国インペリウムに協力。』 ゼニトリー・マッセ:クロウを追い回す借金取り。 ???(シエロ・ビーター):ゲスト出演。(汎用)アクシオ:アクシオン製の量産機。 <◆バンプレストオリジナル/敵サイド> 新帝国「インペリウム」アイム・ライアード(声:安元洋貴):『偽りの黒羊』のスフィア・リアクター。 マルグリット・ピステール(声:小島幸子):聖インサラウム王国の騎士「アークセイバー」のハイナイト・ナンバー7。/『★再世篇でのパートナー候補3』 シュバル・レプテール(声:室園丈裕):聖インサラウム王国の騎士「アークセイバー」のハイナイト・ナンバー3。 シェーヌ・ピステール:聖インサラウム王国の準騎士であり、マルグリットの弟。本作にはある姿で登場する。 破界の王ガイオウ(声:小山力也):聖インサラウム王国を滅ぼした張本人。(汎用)次元獣ダモン (汎用)次元獣ブルダモン (汎用)次元獣ライノダモン 次元獣ライノダモンMD (汎用)次元獣ディノダモン 次元獣リヴァイダモン:超大型次元獣 アリエティス:アイム機 パールネイル:マルグリット機 エメラルダン:シュバル機 グレート・アクシオン:インペリウム旗艦 ゲールティラン<最終ボス機>:ガイオウ機 独自勢力アサキム・ドーウィン(声:緑川光):クロウとアイムを追うシュロウガ <◆参戦作品> 初出年代 作品名 1970-74年 (なし) 1975-79年 1977年:無敵超人ザンボット3 1978年:無敵鋼人ダイターン3 1980-84年 1980年:◆無敵ロボ トライダーG7 1980年:宇宙大帝ゴッドシグマ 1980年:宇宙戦士バルディオス 1981年:◆六神合体ゴッドマーズ 1982年:戦闘メカ ザブングル 1983年:★装甲騎兵ボトムズ 1983年:超時空世紀オーガス 1985-89年 1985年:※機動戦士Ζガンダム 1985年:◆超獣機神ダンクーガ 1985年:★装甲騎兵ボトムズ ザ・ラスト・レッドショルダー 1988年:★装甲騎兵ボトムズ レッドショルダードキュメント 野望のルーツ 1988年:◎機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 1990-94年 (なし) 1995-99年 1995年:◆新機動戦記ガンダムW 1996年:機動新世紀ガンダムX 1998年:◆真ゲッターロボ 世界最後の日 1999年:★地球防衛企業ダイ・ガード 1999年:∀ガンダム 1999年:THEビッグオー 2000-04年 2002年:OVERMANキングゲイナー 2004年:機動戦士ガンダムSEED DESTINY 2004年:超重神グラヴィオン ツヴァイ 2005-09年 2005年:創聖のアクエリオン 2006年:★コードギアス 反逆のルルーシュ 2007年:★機動戦士ガンダム00 1st season 2007年:◆獣装機攻ダンクーガノヴァ 2007年:★天元突破グレンラガン 2007年:★装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ 2008年:◆マクロスF 2008年:★劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮篇 2009年:★◎劇場版マクロスF~イツワリノウタヒメ~ 2009年:★真マジンガー 衝撃!Z篇 2009年:★交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい 2010-14年 (2011年/本作) ※年代参考:資料01:SF映像作品リスト ※初出年次順で掲載。★黄色セルは新規参戦。◎は機体のみ参戦。◆付はZシリーズ新参戦(完全新規参戦を除く)。 ※「超獣機神ダンクーガ」については、OVA初出の各種要素を含む(リンク先参照) ※Ζガンダムは劇場版準拠での参戦。ただし、公式には特段「劇場版」としての紹介はされていない。 <(参考)非リスト作品> ※上記リストにはないものの、実質的に参戦している作品 初出年 作品名 備考 2005年 機動戦士Ζガンダム(劇場版) 実質的に参戦(上記参照) 2007年 ◎劇場版 創聖のアクエリオン-壱発逆転篇- 実質的に参戦 - オリジナル <ゲーム情報> 【全話一覧】第2次Z破界篇シナリオ一覧(まとめ中) <攻略記録・その他雑感> 【攻略備忘録(攻略メモ/雑多メモ)】ストーリー上のネタバレワードについては反転式にしました。とはいえ攻略メモの性質上、多少のネタバレはありますのでご注意を。 第2次Z破 01~05話 第2次Z破 06~10話 第2次Z破 11~15話 第2次Z破 16~20話 第2次Z破 21~25話 第2次Z破 26~30話 第2次Z破 31~35話 第2次Z破 36~40話 第2次Z破 41~45話 第2次Z破 46~最終話 【第2次Zプレイレビュー】(非ネタバレ)20110413 第2次スーパーロボット大戦Z 攻略方針 20110417 第2次スーパーロボット大戦Z 第1次レビュー(~第14話) 20110418 第2次スーパーロボット大戦Z 第2次レビュー(~第29話) 20110419 第2次スーパーロボット大戦Z 第3次レビュー(~第31話)(特殊技能・強化パーツ) 20110420 第2次スーパーロボット大戦Z 第4次レビュー(~第33話)(曲・プレイ感) 20110421 第2次スーパーロボット大戦Z 臨時報告 20110422 第2次スーパーロボット大戦Z 第5次レビュー(~第36話) 20110423 第2次スーパーロボット大戦Z 第6次レビュー(~第46話)(要注目戦力) 20110424 第2次スーパーロボット大戦Z 第7次レビュー(~最終話)(プレイ結果・撃墜数ランキング) 20110429 第2次スーパーロボット大戦Z 攻略振り返り(SRポイント・ラスボス) 【雑感】20110106 第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇速報 20110107 第2次スーパーロボット大戦Z ファミ通記事&スパログ告知 20110112 第2次スーパーロボット大戦Z 第1段PV前夜 20110113 第2次スーパーロボット大戦Z 第1段PV当夜(放映当日は1/12) 20110114 シリーズ累計52タイトル 20110121 第2次スーパーロボット大戦Z ファミ通第2報 20110204 第2次スーパーロボット大戦Z ファミ通第3報 20110325 第2次スーパーロボット大戦Z 最新情報 20110428 第2次スーパーロボット大戦Z 第1週売上 20110505 第2次スーパーロボット大戦Z 第2週売上・他
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ガンダムファイト ◆op3oYkZryw ビームの火線が森を焼き、ビームの帯が大木を切り裂く。 人の手が入っていない密林の中で二体の巨人がワルツを踊る。 立ち込める黒煙。燃え上がる木々。MSとMFの駆動音。 だが、森の中でマスターガンダムを駆るガウルンにとってはこの戦場はとても神聖なものであり 彼の生きるべき世界である。 そんな彼をもってしてもガンダムレオパルドデストロイを駆るギャリソン時田は容易に刈り取ることが できない相手であった。 (ちっ。老いぼれのくせに思った以上にやるじゃねえか) 彼は襲ってくるブレストガトリングを避けながらダークネスショットを撃つ、だが向こうは当然のように 避け再びセパレートミサイルを撃ってくる。 ガウルンはやりづらいと思った。遠距離装備の碌についていないこの機体ではこのままでは向こうに 押し切られてしまうだろう。 「弾切れまで凌ぐか?」 コクピットの中でそう呟き。自分の甘い考えに心の中で唾を吐く。 (いつからそんな甘い考えをするようになったんだ?ガウル~ン) 突然攻撃が止む。だが、経験から弾切れとは思わなかった。おそらく向こうは残弾も少なく 味方を追うために一気に勝負を決めるつもりだろう。 (いいぜ。乗ってやろうじゃないか、じいさん!!) ガウルンはブースターを噴かせマスターガンダムをレオパルドデストロイに突撃させる。 リストビーム砲とビームシリンダーによる砲撃が襲いくる。 だが、ガウルンはそれらをマスターガンダムのマント型シールドで受け止めながら敵機に近づく。 「ダークネスゥゥゥゥゥゥゥゥゥフィンガァァァァァァァァァァァァ」 そして、シールドが破壊されると同時に左腕のダークネスフィンガーを相手に叩きつける。 だが、レオパルドは右腕に持ったヒートアックスで受け止める。 「右腕を忘れちゃいけないぜ!!」 そうして、左腕がビームシリンダーで塞がった機体の胴体に右腕を叩きつけようとする。 だが、ビームシリンダーの側面から突然生えた光に受け止められた。 ギャリソンがあらかじめ右手に持っていたビームナイフを無理矢理機動させたのである。 「なに!!」 「ほっほっほっ、予測済みでございます」 そうして、レオパルドは至近距離でホーネットミサイルを叩きつける。 それはマスターガンダムの胴体に直撃し、機体を吹き飛ばす。ギャリソンは距離をとりマスターガンダムに 全弾を叩き込もうとする。 ガウルンは起き上がろうとしたが疲労と癌の痛みにより立ち上がることができずに襲ってくるであろう衝撃 に身を硬くする。 (ここまでか?) まるでこれまでの思い出が走馬灯のように思い出される。 幼いころから戦争漬けだったこと、名が知れ渡る頃には殺した数が四桁を優に超えていたこと。 (ああ、結構楽しい人生だったじゃねえか) 自分と同じようにカシムが死体を処理していた姿を始めて見たこと、カシムが宿にしていた村を 焼き払ったこと、カシムとカリーニンに雪辱戦を仕掛けられ額に銃弾が撃ち込まれ間一髪助かったこと、 カシムがガールフレンドと共に自分から逃げ出したこと、カシムが腑抜けた奴らを守るため自分と戦ったこと。 そして、コダールと共に海に投げ出され気が付いたらここにいたことが。 (まだだ、まだ死ねねぇ!!) こんな老いぼれに殺されている場合ではない。自分は愛しいカシムに会わなければいけないのだ。 そう想うと力尽きたはずの体に力が満ち溢れる。そうして殺到する砲撃に右手を向ける。 「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 右手から黒光が溢れると共に巨大な黒球ができ、砲撃が黒球に押し止められる。 「な、なんと!!」 「喰らいやがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 そのままレオパルドに向けて高速で黒球を押しだす。レオパルドはそれを両手で受け止めたがあまりの力に 押されてしまう。 「ぬぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅん!!はぁ!!!」 だが、バレーボールのトスのようにそれを打ち上げる。黒球は上空で爆発した。 「チェックメイトだぜ。じいさ~ん」 レオパルドのコクピットにディスタントクラッシャーが突き刺さる。 それは黒球が弾かれる直後に撃ち出された為にギャリソンは避けることが適わなずに 断末魔すら挙げることができなかった。 「さて、どうすっかなこれから」 そうは言ったもののすでにやる事は決まっていた。あの腑抜けてしまったカシムを元に戻せねばならない。 聖人の目をしたカシムを殺す自分、殺される自分、犯す自分、犯される自分。 どういう結末を迎えるにしてもそれ以外の最後など自分にはありえない。 そのためにはここからなんとしてでも生き残ろう、ついでにあのフロアで見かけた奴のお友達の首も 持っていこう、少しは腑抜け具合が治るかもしれない。 そんなことを考えながら敵機から斧や銃火器等の使えそうな装備を取り外す。 「流石にこいつは規格が合わねえか」 そう思いながらビームナイフを弄っているとそれをマスターガンダムの腕が取り込み始めた。 「なんだ?」 半分ほど取り込むとすぐに元に戻り刃が発生する。 「こいつはいいな」 そして、ツインビームシリンダーを両肩に当てて見る、すると歪ながらも引っ付き 徐々にだが変形し始める。 「ハッ!大した玩具だ」 まるで魔法である。体の方もどういう理屈か分からないが頭に仕込んだチタン合金の部分と義足が妙な金属質 の細胞に覆われ癌による痛みも何時の間にか消えている。 「まったくマスターガンダム様々って所か」 そう思いその場を後にしようとしたが転がる敵機が目に入る。 コクピットが破壊され使い物にならない機体である。 このままでは後ろで発生している火事に巻き込まれるだろう。 「カシムの野郎なら念のためとか言ってぶっ潰すんだろうが…」 あることを思いつきそれを実行することにする。 それは、マスターガンダムの破片を機体のコクピットに埋め込み妙な現象を誘発させることである。 こうすればこの機体は使い物になるかもしれない。 「カシム、舌なめずりは三流とかいうけどよ。一度しかない人生を楽しまなくっちゃ損だぜ」 もし、この機体が火事を生き残ることができればきっと楽しいドラマが待っていることだろう。 そうしてガウルンは休憩場所を探すためその場を後にした。 【ガウルン 搭乗機体:マスターガンダム(機動武闘伝Gガンダム) パイロット状況:疲労大、DG細胞感染、気力120 機体状況:全身に弾痕多数、胸部装甲破損、マント消失、ダメージ蓄積、DG細胞感染、損傷自動修復中 ビームナイフとヒートアックス装備、両肩にツインビームシリンダーを搭載(残弾なし)】 現在位置:B-5密林 第一行動方針:自分と乗機の休息 第二行動方針:近くにいる敵機を攻撃 第三行動方針:皆殺し 第四行動方針:できればクルツの首を取りたい 最終行動方針:元の世界に戻って腑抜けたカシムを元に戻す 備考:九龍の頭に埋め込まれたチタン板、右足義足、癌細胞はDG細胞に同化されました】 【ギャリソン時田 搭乗機体:ガンダムレオパルドデストロイ(機動新世紀ガンダムX) パイロット状況:圧死 機体状況:両手ボロボロ、コクピット破壊、全武装弾切れ、 ヒートアックスとビームナイフとツインビームシリンダーは非装備、DG細胞感染? 現在位置:B-5密林 備考:B-5密林で火事発生。レオパルドにDG細胞が感染したかどうかは次の書き手に任せます】 【初日 17:55】 本編78話 ガンダムファイト
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雑記:文或と近代もろもろ、166 9月14日めも。 とりあえず眠いです、リアルタイムは2020年10月21日、1年と1か月弱あとくらいの日付けです、そろそろさすがに放棄したほうがいいんじゃないかなキリよく1年分くらい、みたいなことは考えていないでもないですが、そもそもこのあと打ち込み続けるかどうかもわからない感じになっているのでとりあえず保留で。 まあさすがに差が1年分くらいのところまで辿り着くにはいいのかな…。 てかそもそも、今作ってるところまで本当にWikiにアップロードしたのかも不安になってるのでブラウザを立ち上げようとしたらなんか長期間動かしてなかったとかで今立ち上げ直しな感じに。 ゲーム用にグーグルクローム、ファイヤフォックスがWiki管理用なのでまあ、パソコンはそこそこゲームのために立ち上げてるけど、みたいな感じですかね。 いやうん、手帳にチェックすらしてなかったけど、とりあえず雑記は165まではアップロードしてた。 少しでも文章を打つことをしようと今、かなり強引な感じの時間に無理にこれをやっているのだけれども、その結果意味のある内容になるかというと…どうだろ真面目に、別にそうなる必要もあんまり感じない。 さすがに2019年の文アルのキャラ言及だけは完成させたいんだけど、それを成し遂げるためのハードルが結構上がってしまって…。 いやだって、年末くらいに来たキャラってその架空の日付けよりはあとに配置させなきゃ駄目だよなぁ、みたいなのが前にテンションが落ちた理由です、私以外にはどうでもいいしそもそもこの日付けも本気で謎だ、1年以上経つと特に。 9月15日めも。 えーと、引き続き2020年10月21日です、てかこの実際の日付けと表記してある日付けの乖離のせいで、新しいことも古いことも(単に覚えてない)正直語りにくくなってるんですけどもね。 ところで最近「自己研究ではないです」みたいなことを時々付け加えるようにしてるのですが、昔はやってなかったです、それこそ1年前とか全く。 まあ架空の日付けですけども。 なんというか「そう疑われているんだろうな」と思ったのではなく(この程度の自覚なら前からあった、ので、やってることを時々触れてた、元になる本があることは普通に見てけばわかるかなー、と思うので)、そう確信されていないととてもじゃないけど返って来なさそうな反論が来たので…。 私の見解じゃねぇよ、みたいなことを折々に添える感じになりました。 前から添えてたのは志賀さん辺りかなー、最近は個人の意見になったので添えなくなったけども、悪態が減ったので止めたというのが正確かしら。 ちなみに私は志賀さんの作品は短編しか読んでいないので、評価に関してはほぼ全て人のものになります、読んだ時にどうなったかとかはまあ別にいいだろあれ。 簡単に言うと現実逃避してる現状と、自分が信じたい環境とが交互にサラウンドで聞こえて来る感じです、酔うわ!! ただこれ、現実逃避だということがわかる人間が「人として上等か」みたいなことを考え始めるとおそらくそんなこともないので、単純な読み取り能力としてもわかるのかしらね、心境小説って呼んでた人たちとかそんな感じだよなぁ…。 9月16日めも。 私が時々「座談会」と呼んでいるのは多分明治文学研究会てところに属してる人たちか彼らが同格と認めてるのだろう人たちの本なんですが、なんで曖昧なのかというと数人しか確認取ってないからです、が、こっちに歴史研究などの素養がある人たちがいて、大正文学研究会のほうは素人ばかりだったというのは…同人誌がメインフィールドだった方の本で読んだのでまあ、大丈夫だろう。 正しいと信じているというより、怒られるほどのこともないだろう的な。 ただこの会、集められた辺りに関しては一通り読めたものの、その後実態として残ってるかどうかもわからんのでなんとも曖昧にならざるを得ない。 大正文学研究会の人らが戦後の文学史を作ってたのは見たんだけどね。 「日本文壇史」の伊藤さんもこの会にいたか、まあまあ関係者の人で、座談会にゲストとして呼ばれ、なにか、おかしい気がするんですが、的なことを言ってたら、そうだねー、問題外かなー、みたいに切り捨てられており、ろくすっぽ反論すらされていなかったのを見てなんとなく、なんとなくの事情を察しました…。 文壇史の作られた時期は長期になるので時系列がよくわからないのですが、このシリーズは全く辻褄の合わない各種証言が詰め込んであり、下手すると数ページの間に部数に関して食い違ってるなどのケースも拝見したため。 私は部数のだいたいの実数を覚える羽目になりました…。 だって、そこ嘘付くって発想はさすがにそれより前にはなかったもん!!! さすがに自社の雑誌にはやらんのだけども(やってるかも、でも単なる商業的理由)、勝手に他社を低く見積もってた可能性がね、面倒くせーな…。 9月17日めも。 で、前々日分からの続き、この座談会の大正篇にてこの人たちが言うわけですよ、志賀さんが「神」扱いされてる理由知ってる? みたいなことを。 いや知らん、マスコミ関係じゃないのかなー、てな結論になっていたわけですが。 あらあらあらあら、後世の見解に騙されてなーんにも知らないのねーwww みたいな感じにめっちゃ高笑いされてしまったことなどもある本なのですが、確かに大正期に世に出た作家たちとはあんまり付き合いさがなさそうではあるものの、明治の作家の逸話に登場する感じの人たちであり、かなり若い頃から重要な仕事に関わることのほうが多い編集者たちだったので…(てか、そういう人たちが文学研究やってるケースが多いので因果が逆みたいなんだけどね、理由とかは知らん、座談会で普通に当時の仕事の話してるから出てくるしなぁ、秋声から愛人押し連れられたとかの、なので多分ガチで聞いたことのある逸話の登場人物だったりもしてる)。 おーっほほほほほほおかしいわー、みたいな感じに空中リプライで嘲られてる中でこういう身元を順番に呟いていたらそのうち止みました。 ついったの風物詩というか、個人の資質というかなんというか。 秋声の愛人ってのはあの山田…何さんだっけ、花子さんじゃなくて、愛人は受け取ったものの結婚すると思われてたみたいですね、的なこと話してたよ。 さすがにあの遍歴の方をなにも言われずに受け取ったら結婚が確約されたみたいな思い込みするのは…どうなのかな…、変な褒め方してて全員で話逸らしてたけど。 この愛人受け取った同じ人が学習院で志賀さんの弟さんと友人だったぽいですが、年齢はまた違うのかな、転がり落ちるみたいに留年してたみたいなこと言ってたし。 9月18日めも。 なんか話が散らばりすぎてるのはまたあとで似たような感じの記事にするつもりですが、さすがに散らばりすぎてるのでもうちょっと統一テーマ作ったほうがいいと思うけどここで直すつもりとかは特にないんですけども、1年以上ズレてるし。しつこい。 まあ高笑いで、なーんにも知らないのねと嘲られてましたが、年下の格上みたいな感じの立場の人らみたいです、明治の作家とは結構仕事してんのに(だいたい自然主義くらいまで)、大正の作家とは菊池さんくらいしか今のところ関わりないみたいだからなぁ、大正はだいたい白樺からのカウントです。 白樺が実際に何年に世に出たとされてるのかはよく知らん。 覚えようと思ったけどなんか若干バリエーションがあるみたいで、細かい違いまで把握しようとはちょっと思わなかったんだよね、白樺作家の中央公論掲載がいつかとかなら確かどっかで見てたけど、武者さんとこの記念館でも見たし。 まあ、『白樺』は評論が付いてるみたいなのでそこを出版点にしてもいいみたいなんだけどもねー。 この評論に関しては鴎外さんのところの記念館で一般年表に入れていたのでオッケーじゃないかなってことにしてます。 この時期をもってして出世作と見做し、作家分類にするのもいいんじゃないかと思います、そういう扱いになってる本もあるし。 この時期をもってして「文壇を制覇した」扱いになるのはちょっとどうかなと思います、いや、本当にこの時期から芥川までがすっぽり欠けてる本読んだので、どうも漱石さんが作家になった時期も全盛期も知らない方だったみたいです…年齢上だしね。 9月19日めも。 なんの話でしたっけ、多分志賀さんの話ですね、あと座談会の話もしてた気がする、でも志賀さんの話と白樺の話が直接つながってなくて白樺からを大正に世に出たと分類するのが妥当みたいなこと語ってたんだったね。 いや、『白樺』だと確か明治だったんじゃないかな…。 正確なところを全く覚えてませんが、とある本で明治末から志賀さんが文壇を制覇してたので、芥川が志賀さんのことを崇め奉っていたのもあまりにも自然なことみたいな感じにつながってました、まあ確かに、鴎外さんや漱石さんが過去の人になってて志賀さんしかプロの作家がいなかったらそういう崇拝もわりと自然で、特に資料が少なくても他に大量の資料があっても問題はないような気もするんですけども。 菊池さんが世に出る前、志賀さんを自分よりちょっと前にいる商業仕事はしているアマチュアとして扱っていたので、どうなのかしら…。 あと漱石さんは志賀さんのプロ作家時代を白樺の同人誌スタートにするとかなり近くなってしまうというか、白樺そのものが漱石さんに捧げられているのは目次のページ見たらなんとなくわかるしなあれ…(武者さんとこの記念館でべっと広げてあった)。 あの本を書いた方が本当に志賀さんに興味があったのかどうかはわりと真剣に謎です、褒めればいいというものでも…ないような…。 あと正直言うと若干拘るべき部分を全体的に取り落としてるような気もします。 志賀さんが神ってところからスタートして最低限の年表などだけ見て文壇を作り上げて芥川の権威を最大に高めようとしてたとかかな…。 記録は残してるはずですが、著者さんは忘れました、多分感想にもこれ書いてるけど。 9月20日めも。 てか、とりあえず私は志賀さんに対して悪感情は特にないです、専門用語をでたらめにぶちかまして評論やってたっぽいのは引きつったけども、なんというかそこまで行くとぽめ案件じゃないですか、嫌う理由にはならない。 ちなみに研究者勢はその手の文章を全く見せてくれないので、志賀さんの快刀乱麻の評論を拝見するのはそれ以外の雰囲気を漂わせた感じの本やネットで、めっちゃ英知を褒め称えてました、多分だけど反論来なかったんでしょうね。 志賀さんの評価もだけど、なんというか真面目な研究本読んでて作家の評価が低くなることってまずないんだよね私の場合、大抵反論に値するものしか載せてないからなぁ、反論に値する文章はその時点で一定の意味はあるでしょ大抵。 どっちかというとこーーーんなに素晴らしいあれがあれがあれが!!! みたいな感じで大はしゃぎで紹介されているものは概ね場外ホームランな感じです、そういう情報が欲しかったんだよ! てな感じになる。 ああ、それで…インテリに見下されていたのか、と納得するというか…。 唯一の例外は菊池さんで、大抵エキサイトしてるのは研究者、同じ意見だわー、わかってるーー!!! みたいに頻繁に興奮されてる。 こないだ聞きに行った講演でもそんな感じでした、いきなり菊池さんの話でヒートアップして来た、なんだろあれ、と同行の子牛に聞いたところ「好きなんじゃないの」と返されたものの菊池さんの専門研究者で興奮してる人を見たことがなく。 やっぱり共感、同意のヒートアップだったのではなかろうか、てかあれ、合理主義としての意見の合致って気がするんだよね、百年経っても大丈夫ー(倉庫のノリで)。 9月21日めも。 ところで菊池さんの専門家がなぜあまり興奮しないかというと、菊池さんが正しいのはわりといつものことというか、「世の中のほとんどのことは金でなんとかなるじゃろ」的な信念から来てるような気がするので大抵のことが…。 感動に結びつくかっていうと、そこスタートだと素直に難しい気がします。 物質優先主義みたいな感じのところあるんだよね。 まあそういうところが日本文学関係の一部の人らには蛇蝎のごとく嫌われるんだと思うんだけど、こう、ほら、精神由来の幻覚の歴史を延々と読んでる時に唯一の理性である菊池さんが目に入ったら興奮するのも仕方ないような気もするんですよね。 逆に言うと天敵みたいなものなんだから嫌ってもしょうがないんじゃないかな。 で、ようやっとそれっぽいまとめを思い付いたんですが多分精神世界の頂点が志賀さんで、物質世界の頂点が菊池さんなんだと思うんですよね、いや、誰かの説とかじゃなくて事実上。 志賀さん以前にも日本文学の父とかもいたみたいなんだけど(鴎外さんとか)、なんか実際のご友人たちに邪魔されて打ち立てられなかったみたいなんですよね、あ、芥川の後輩の文章読んでるとたまに出てくるのでこの歴史、わりと真面目な話で、めっちゃ止めてって怒ってる鴎外さん関係の文章も、両方青空で読んだよ。 あと藤村バージョンもあるっぽいけどこれは多分当人が止めたな、偉いしな藤村。 志賀さんのはなんか、止めなかったんでしょうね、そもそも「本当に業界にいるの?!」と子牛に叫ばせ、知人の貴族の本書いた人には「作家辞めてた」って言われててデマ経歴ぶっ立ててもバレなさそうな偉い作家とか他に…いないんじゃないかな…。 9月22日めも。 で、まあ、だらだら書き連ねることもなく、志賀さんは「神って言い始めた人らが多分マスコミにいたと推測されていた寡作の作家」っていう大前提でもって、褒めてる人たちが自他境界曖昧にもほどがある尊い、なんて尊い、あまりにも尊い、もしくは他人をこんなにも見下すことが出来るのすごすぎ!! みたいな具体性が皆無話かマウントか(用語間違え含め)みたいな感じに分離してるので評価が高くなりようがなかったんですが。 神主張を叩きのめしまくった人格否定すれすれ(賛美側が褒め称えた分のカウンターなので判定は微妙)の座談会の原稿をチェックし、校長の交代時期とかちょっと違うから教えとくわ、とだけ返していた志賀さんを見てしまうと。 貴方は正気なのね、正気であの精神由来なのだろう日本文学の認識の混乱と志賀さんへの興味マイナスみたいなあれをも受け止めていたのね…、となり。 めちゃくちゃ時間掛かったけど、悪感情はないです。 そしてこれをどう端折ればいいのか、今わりと本気で途方に暮れている。 というかステレオで妄想と現実が迫ってくるんだけど! みたいなことを読書感想文的に呟いていたら(取り繕わないと怒られる、私もこれに関しては取り繕ったほうがいいと同意する、無味乾燥の教育じゃない)、座談会においても志賀さんが常に自分が正しいとか言い続けてて言動は他罰的だけどやっちゃったことをきちんと記憶していてあとで謝りに行ってたりするので、わかってるんじゃないですかねぇ、みたいなことを言っていて、そうまとめると捨てたものでもないし。 それわかる、現実伝わって来てた!! となったんですよね。 作品として評価するとかは置いといて、あれ伝えて来たのはすごいような…気が。 9月23日めも。 そしてまあ、心境小説という「現実の認識がなんか狂ってる」系の作品(日本の作品だともごもごしててわかりにくいので海外作品で見ると本当にストレートに言ってる、認識の狂いを主人公が認知してるものとしてないものとがあるらしい)として見るならば、それは確かになんかすごい切り口がありそうだな、と考えたところで、そういやそれに近いこと言ってた人いたなぁ、と思い返してたりしました。 にゃ、かなり古い記憶でそこから数年経って「これかな?」となったので自信がないので伏せておくけども。 ただこの全てを踏まえた上で、心境小説を確立させたのだ、と志賀さんが紹介されていると挙動不審になっていたりはしますが、直したいとかではないです、直したいとかではないです、心境小説とはなんぞやみたいなものが少し広まって、あれこれ、具体的にはどういう意味なのかしら? と感じる人が出てくれたらいいなー、とだけ…、てか、私小説と心境小説ってあったりなかったりするし、座談会の中でも簡単にほいっと取り換えてたりで、どうも境い目を確定させる必要が薄めの雰囲気だったんですが。 確立させたんだ! て方にどういうことなんでしょうか、と聞いてもいいのかどうかは多分ずっと迷います、ちゃんと定義があるなら聞いてみたいし。私の感じた理性と幻覚のステレオのこと指してない可能性とかもあるし。 でもそもそも「勘違い小説(一度だけ見た表記)」と志賀さんの作品のコンセプトってそもそもなんか合わせちゃ駄目系というか、ステレオ認識を一旦通らないとそれはそれで事故りそうというか、どうなのかしら…。 (文或と近代もろもろ、166) 雑記:文或と近代もろもろ、212 雑記:文或と近代もろもろ、210 雑記:文或と近代もろもろ、208 雑記:文或と近代もろもろ、207 雑記:文或と近代もろもろ、206 雑記:文或と近代もろもろ、205 雑記:文或と近代もろもろ、204 雑記:文或と近代もろもろ、203 雑記:文或と近代もろもろ、202 雑記:文或と近代もろもろ、201 雑記:文或と近代もろもろ、200 雑記:文或と近代もろもろ、199 雑記:文或と近代もろもろ、198 雑記:文或と近代もろもろ、196 雑記:文或と近代もろもろ、194 雑記:文或と近代もろもろ、192 雑記:文或と近代もろもろ、189 雑記:文或と近代もろもろ、188 雑記:文或と近代もろもろ、187 雑記:文或と近代もろもろ、185 雑記:文或と近代もろもろ、184 雑記:文或と近代もろもろ、183 雑記:文或と近代もろもろ、182 雑記:文或と近代もろもろ、180 雑記:文或と近代もろもろ、179 雑記:文或と近代もろもろ、178 雑記:文或と近代もろもろ、176 雑記:文或と近代もろもろ、175 雑記:文或と近代もろもろ、174 雑記:文或と近代もろもろ、173 雑記:文或と近代もろもろ、172 雑記:文或と近代もろもろ、171 雑記:文或と近代もろもろ、170 雑記:文或と近代もろもろ、169 雑記:文或と近代もろもろ、168 雑記:文或と近代もろもろ、167 雑記:文或と近代もろもろ、166 雑記:文或と近代もろもろ、165 雑記:文或と近代もろもろ、164 雑記:文或と近代もろもろ、163 雑記:文或と近代もろもろ、162 雑記:文或と近代もろもろ、161 雑記:文或と近代もろもろ、160 雑記:文或と近代もろもろ、159 雑記:文或と近代もろもろ、158 雑記:文或と近代もろもろ、157 雑記:文或と近代もろもろ、156 雑記:文或と近代もろもろ、155 雑記:文或と近代もろもろ、154 雑記:文或と近代もろもろ、153 雑記:文或と近代もろもろ、152 雑記:文或と近代もろもろ、151 雑記:文或と近代もろもろ、150 雑記:文或と近代もろもろ、149 雑記:文或と近代もろもろ、148 雑記:文或と近代もろもろ、147 雑記:文或と近代もろもろ、146 雑記:文或と近代もろもろ、145 雑記:文或と近代もろもろ、144 雑記:文或と近代もろもろ、143 雑記:文或と近代もろもろ、142 雑記:文或と近代もろもろ、141 雑記:文或と近代もろもろ、140 雑学:近代有力め新聞社10社、181 雑学:近代小説掲載雑誌覚え書、186 雑学:明治の歌舞伎事情、195 雑学:明治の新聞発展事情、177 雑学:文士経営者寄り10人、190 雑学:お江戸の歌舞伎事情。197 文芸:文アル登場作家、その4。211 文芸:文アル登場作家、その3。209 文芸:文アル登場作家、その2。193
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人間様をなめるなよ ◆crnnAi5R12 「クズめ!」 コックピットを殴りつけ、神 隼人は頭を冷やす。 ついさっき起こった出来事は、恐竜帝国と戦い死んでいった、武蔵の事を思い起こさせるに十分だった。 「化物が……人間に歯向かってただで済むと思うな」 敵討ちをしよう。 知らない女だけではない。この馬鹿げたゲームに集められ、そして死んでゆく全ての人の。 その為には戦力が要る。皮肉なことに、その戦力は化物に与えられたものだが。 まずは自分の手を確認しよう。そう思い、隼人は期待の説明書を読み始めた。 「YF-19、か」 説明書を読み終わり、確認するように機体の名を呼ぶ。 自分は中々いい機体を引いたらしい。 大気圏内巡航速度はマッハ5、ピンポイントバリアという防御装置に加え、多数のミサイルを持ち、ステルス機能まで有している。 「物凄い戦闘機だ。変形まで出来るのか……」 それに加え、最大の特徴は、フォールドシステム。要するにワープが可能という超高性能機だ。 素晴らしい。出来るのなら分解して新しいゲッターの研究に役立てたい機能だ。しかし、それは元の世界に帰れればの話。 今は、主催者を殺すことを第一に考えなければ。 「この身体さえ万全なら、お前を完璧に扱ってやれるんだがな……」 自分の体を蝕んでいる古傷は深刻だ。 VF-19の運動能力は素晴らしい。恐らくこのゲーム一、二を争うことだろう。 しかし、余り激しい機動をしたり、大きなダメージを負ってしまうと、自分の方が先にくたばってしまう。 単独での戦闘は、自分の身体では無理がある。 となると、同じ志のものと組むしかない。 単独の者と手を組む。これはだめだ。相手がゲームに乗った奴だった場合のリスクが大きい。 相手から持ちかけられでもしない限り、此方からの接触は避ける。 やはり二人以上の組と接触するべきか。仮に本性を隠したケダモノが潜んでいても、二対一ならそうそうやられはしない。 「俺はボインちゃんが好きなんでな……敵は討たせてもらう。化物め」 その言葉を宣戦布告とし、彼は翼を天へと向けた。 【神 隼人 搭乗機体:YF-19(マクロスプラス) パイロット状況:良好(但し、激しい運動は危険) 機体状況:良好 現在位置:H-4 第一行動方針:高高度からの、地上偵察。 第二行動方針:二人以上の組との合流(相手が一人の場合、少なくとも自分から接触する気はない) 最終行動方針:主催者を殺す】 BACK NEXT 情け無用のロンリーウルフ 投下順 心に、悪魔宿りて 花言葉は「勇敢」 時系列順 人とコンピューター BACK 登場キャラ NEXT 隼人 アンチボディー ―半機半生の機体―
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スーパーぼくロボ大戦Winner’s Hand・SS 連続SS 第三話「限界vs鉄拳!炎のダブルパンチ!」 第五話「吸血機討伐」 第七話「大波乱!決戦ギリギリ遊園地!」 第八話「立つのは誰だ?俺もお前も補習漬け!」 第十二話 「魔闘ウツノイド!?灼熱のギバップ!」 スーパーぼくロボ大戦Winner’s Hand・12話※ 第十三話「お地蔵7」 第十四話「脅威・魔闘ウツノイド軍団!テッケンオー夕陽に死す!!」 第十五話「野望の女神たち」 第十六話「抜人とヤブル」 第十七話「ヴァイスキルヒェ」 第十八話「赤と黒」 第十九話「誕生・真の格闘神機!甦れ俺のテッケンオー!」 第二十話「悪夢再び・・・テロボット襲来」 第二十一話「白い教会を暴け!」 第二十二話「紅白ロボ合戦!オリンポス対テッケンオー!」 第二十三話「聖者の行進」 第二十四話「流星雨」 第二十七話「守るべきもの」 第二十八話「迫る臨界!その名はエクシード!!」 第二十九話「ストレンジ・トライアングル」 第三十話「月光」 第三十一話「実はギリギリ?余裕崩壊10秒前!!」 ※ファイル未所持 関連SS 吸血機バンパイオー 限界ギリギリゲンカイザー セイカイオー・リメイク 絶対征服オリンポス DBへ SS保管庫へ戻る
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血に飢えた獣達の晩餐 ◆Nr7qwL8XuU 手足をもがれ瓦礫に埋もれたドスハードの中、ソシエは瞬く間に変わっていった自身の状況を整理しようとつとめていた。 さっきまで交戦してたあの赤マフラーは間違いなく敵だ。 それにとどめを刺されかけたところを助けてくれた腹ペコのちっちゃいのは多分味方。 ということはそれと交戦してる赤いのは多分敵で、赤マフラーと戦ってる小型機と残りの航空機は・・・・・・あっ、ダメ。こんがらかってきた・・・。 通信機がまともに動けば状況把握も楽なのだろうが、どうも壊れてしまったらしくノイズ音の他に流れてくる音はなかった。 まっ、どうせ動けないんだから考えても仕方ないか・・・。 敵味方の認識をあきらめたソシエはどうにかなるさと気軽に考え、若干投げやりな様子で支給品の袋に手を伸ばした。 中からドンキーのパンとドロシーのコーヒーなる缶コーヒーが出てきた。 一口飲んでその甘さに咳き込んだソシエはそれを無視するとパンを頬張った。 横薙ぎにはらわれる円の動きと真っ直ぐに突き出す線の動き。一瞬早く相手を捕らえたアキトの拳が大雷凰の腹に叩き込まれる。 大雷凰の装甲が軋み、わずかに遅れて直撃した竜馬の脚にアキトはその拳を振り抜ききる前に大きく弾き飛ばされた。 「まだまだぁ!」 直後、大雷凰のブースターはフル稼働しYF-21を追って空を駆ける。アキトが機体を立て直せばその瞬間に、立て直さなければ追いついたその瞬間に一撃を叩き込むべく一度は開いた二者の間を急速に縮めていく。 そして、大雷凰がYF-21に追いつき、その蹴りが襲い掛かる。 「もらったぁ!なっ!!」 がその瞬間、YF-21はファイターモードに変形、吹き飛ばされていたその方向にそのまま加速して攻撃をかわすと135度までロール。 そして、速度を上げながら操縦桿を引き起し、スライスターンで大雷凰を正面に捉えるとすれ違いざまにガンポッドを撃ち込んだ。 「チッ!逃がすかよぉ!!」 放たれたガンポッドは大雷凰の装甲に吸い込まれ火花を散らす。だが意にも介さずといった風で振り向いた竜馬はアキトの追撃に移った。 「いつまでそうやって逃げ回る気だい?」 テッカマン・エビルが間を詰める。 「そうだな・・・。君が私の話を聞く気になるまでかな?」 凰牙が間合いを広げる。そんなやり取りが続けられていた。 全長28.5mの凰牙に対してわずか2.36mのテッカマン。にもかかわらず踏み込まれるたびに後ずさっていく凰牙の姿はもはや滑稽という他ない。 憶測ではあるがロジャーの間合いで戦えば勝機はあるだろう。しかし、懐にもぐりこまれるとおそろしくやり難い。加えて依頼の内容的に手を出すわけにはいかない。 その自覚がロジャーに現在の行動を取らせていた。 「残念だけど、お前と話し合いする必要なんかないね!」 これまで緩やかな動きから一転、テッカマンは高速で駆け出す。 「消えただと!」 それまでとの速度差、こちらの1/10以下というサイズ差、そして予想外の高速、それらの要因が絡み合いロジャーはテッカマンを見失う。 次に気づいたときには文字通り凰牙の眼前にテッカマンはいた。 攻撃を受け流す暇もなく、とっさに首を捻ってランサーをかわす。しかし、完全には避けきれず凰牙の右の角が音をたてて地面に落ちていった。 「今のをかわすなんて意外にやるね」 テックランサーを悠然と旋回させテッカマンが構えなおす。 「君は何か勘違いをしている」 背後に着地したテッカマンを追って向き直り凰牙も構えなおす。 「何をだい?」 「これは話し合いではない。取引だ」 大雷凰が市街地に身を隠したYF-21を追って大地に降り立った。 「どこに逃げやがった」 油断なく背をビルに預け周囲を警戒する。 右に敵影はない・・・。左も・・・。 空に目を移す。やはりそこにも姿はなかった。が、次の瞬間敵機の接近を告げるアラームが鳴り響く。 「クソッ!どこから・・・後ろかぁ!!」 その声とほぼ同時に背後のビルは崩れそこから姿を現したアキトの拳が竜馬を捉える。 金属がつぶれる音が響き大雷凰の胸部装甲が凹んだ。 だがそこでYF-21の拳はつかまれ 「へっ!やっと捕まえた・・・覚悟しやがれぇ!!!」 一転、二転、三転、大きく振り回される。そしてついた遠心力をそのまま利用して大空高くYF-21が投げ飛ばされる。 「貴様にも味あわせてやる!大雷凰の恐ろしさをなっ!!」 きりもみ回転で制御を失った機体の中アキトが必死で機体を立て直す。 「ラアアァァァイジングメテオ!!」 そんなアキトに構わず、大雷凰は高速で迫り 「インフェルノオオオオオォォォォォォォォォッ!!!!」 周囲に爆音が轟いた。 震えた空気の振動にモニターが揺れる。 そんな中、目の前の達磨となったドスハードにリリーナは通信を続けていた。 しかし、応答はない。 それはドスハードの通信機が壊れてしまった為なのだがそのことを知るすべはリリーナにはなかった。 ふと交渉をおこなっているはずの凰牙のほうに目を移す。角が落とされ大地に落ちていく姿が遠目に確認できた。 そして交戦しているのか時折赤い火花が散っている。 「ロジャー・・・」 信じていますと繋げたその声は直後の轟音にかき消された。 慌てて音のほうを振り向く。離れた空域に巨大な爆煙が渦巻いているのが見えた。 そして、ヴァルハラの巨体が揺れる。 次の瞬間、その制御は失われ、巨大な力にヴァルハラが引き寄せられる。 その中でリリーナは一人絶叫した。 小さな人影が地を蹴って信じられない高さまで跳躍すると槍を薙ぐ。 「取引だって?面白い。お前が僕に何を与えてくれるというのだい?」 サイドステップで避けた凰牙の装甲に槍の先端がわずかにかすり火花が散る。 「ゲーム内における君の安全と君が望んでいるであろう現実世界への帰還だ。取引に応じた場合、君の安全は私が全力をかけて守ろう。そのかわりに我々に協力してもらいたい」 その一言がテッカマンエビルの、相羽シンヤのプライドに触れた。 「お前ごときがこの僕を守るだって?フッ・・・ハハ・・・ハァーハッハッハッハ・・・」 突如、シンヤの笑い声が木霊した。その様子にロジャーは肩を竦める。 「何か可笑しいかね?」 「いいや。笑えないね」 テックランサーをロジャーに向かって投げ飛ばす。 「お前ごときが」 唸りをあげて迫るテックランサーがロジャーの脇をすり抜けいった。 「この僕を」 ランサーの先につけていたのか手元の鋼線を勢いよく引き戻す。 「守るだと?」 黒い大きな影が日光をさえぎった。 「ふざけるのもたいがいにしろよ!人間風情があああぁぁぁぁぁぁ!!」 テックランサーが突き刺さり、ワイヤーに絡め取られ、そして制御を失い強引に力ずくで引き寄せられたヴァルハラが上下逆さまに凰牙を押しつぶしてくる。 辛うじてそれをかわしたロジャーからヴァルハラに通信が飛ぶ。 「リリーナ嬢!リリーナ嬢!!応答したまえ!!!」 だがその間にも差し迫ってきたテッカマンが猛威を振るう。 その攻撃を薄皮一枚――-装甲の表面をかすらせる程度で回避したと思った瞬間、体当たりをくらい凰牙は仰向けにビルに沈み込んでいった。 一向に返ってこない通信に苛立ちを募らせつつ身を起こすロジャー。その目にヴァルハラを刻み、槍を回収するテッカマンの姿が飛び込んできた。 体勢を整えるのもそこそこに凰牙の豪腕が唸りをあげてテッカマンに放たれる。それをひらりと回避したエビルは凰牙に対峙した。 「やれやれ、もう少し話せる相手だと思っていたのだが・・・・・・。ネゴシエイションはプロとプロがかわすもの、君もプロたるべきだとは思わないか?」 「はっ!ネゴシエイターは交渉場所に武器を持ち込まないのが鉄則ではなかったのかい?」 「ネゴシエイションに値しない相手には鉄の拳をお見舞いするのが私の主義だ」 「どこまでもふざけた男だね。ハッ!虫唾がはしるんだよおおおぉぉぉぉぉぉぉ!」 今しがた起こった爆発の中心にその機体は長いマフラーをたなびかせていた。 そしてわずかに離れたところを濃紺の小型機が旋回している。 ライジングメテオ・インフェルノが直撃する瞬間、機体の制御を取り戻したアキトはかろうじてそれをかわし、攻撃直後の隙を突いてビームガンとマイクロミサイルを大雷凰に撃ち込んだ。 しかし、直撃したはずの大雷凰に目立った傷跡はついていない。 だが、ここまでで相手の強固な装甲を確認しているアキトに驚きはなかった。おそらくこちらの武装で相手の装甲を抜けるのはバリアを収束させた拳か反応弾ぐらいだろう。 後者はなるべく使いたくはなかった。ここで使うとユリカまで巻き込む危険性がある。前者は最初の交錯時のように馬鹿正直に使えば当たり負けするのは明白だった。 ならば馬鹿正直には使わないだけだと腹をくくる。 YF-21はファイター形態に変形。最大出力で大雷凰に急加速突撃を開始した。 「出し惜しみは・・・無しだっ!」 構えた竜馬に向かってほぼ残弾すべてに相当する大量のガンポッドとマイクロミサイルを散布する。補給ポイントを押さえているからこそ多少の無茶も目をつぶれる。 「ちっ!なんて数だ」 最初の数発を回避するも後続につかまった大雷凰が次々と被弾していく。厚い装甲に阻まれて損傷自体はたいしたことはなくとも爆発の衝撃に翻弄され機体の安定が保たれない。 それによって流れていく先をBDIシステムが予測、アキトは懐に飛び込んだ。 YF-21がバトロイド形態に変形、右拳にピンポイントバリアが収束されていく。 「ここだ・・・・・・」 そして、速度を半減させながらも音速を遥かに超えた速度を保ったまま、その右拳は大雷凰に叩き付けられた。 とっさに軸をずらした大雷凰の頭部が砕け、破片が宙を舞う。その光景を背後に既にYF-21はその場にいない。 「なにっ!」 だが、安全圏まで距離をとったはずのアキトを奇妙な減速感が襲った。 「プラズマビュート!逃がすかああぁぁぁぁ!!」 頭部の砕けた大雷凰の腕が大きく弧を描き、YF-21が強引に引き寄せられる。 「喰らえ!カウンタアアアァァァァァァァァッスパイクッ!!!!」 そして砂嵐に埋め尽くされたモニターの中、竜馬はタイミングをはかってその蹴りを繰り出した。 足に感じる確かな手ごたえと共に地面に何かが叩きつけられる轟音が聞こえてきた。 「くそっ!」 軽く舌打ちをしたリョウは次々にモニターをサブカメラに切り替えていく。 受けた損傷の大きさに苛立ちを隠せない。 だがそんな暇もなく回復させたモニターに異常なほど巨大な砲弾が映し出された。 背中に冷たいものを感じ、反射的に機体を捻る。砲弾はわずかにかすった肩のアーマーを易々と砕いて大雷凰の遥か後方に巨大な噴煙を高々とあげた。 「おいおいおい・・・、冗談じゃねぇ・・・」 だが、竜馬はその噴煙には見向きもしない。見上げたその先には無敵戦艦の姿があった。 全長53.8mの大雷凰に対して420mのダイ。そのあまりの巨大さに圧倒される。 その圧力はあなたの眼前に全長約13~16mの世界最大の肉食生物マッコウクジラが突然姿を現し迫ってきたと考えていただくと多少は伝わりやすいだろうか・・・。 とにもかくにも、その巨体が放つ圧力は並々のものではない。 何かに呑まれたように竜馬の体は動かず。その肌には冷たい汗が吹き出てきていた。 だが、銛を持った漁師はクジラにも立ち向かいしとめる。やがて凶暴な光が竜馬の双眸に宿る。 そして、大雷凰の脇をすり抜けて伸びていった光線を追って竜馬は空を駆けていった。 凰牙とテッカマンが互いの拳を、武器を数合交え飛び退く。 「本当に思っていたよりもやるじゃないか」 「これでも軍警察にいたこともあるのでね。あまり甘く見ないでいただこうか」 「それは無理ってものだよ」 目の前のテッカマンの装甲が細く変わっていく。 不意にテッカマンが眼前から消え、凰牙は吹っ飛んだ。 「だって、その程度では僕の相手にはならな」 軽口を叩いていた口が不意に止まりその上体がゆらゆらと揺れる。 その様子を不審に思いつつロジャーは立ち上がる。 「おやおや、どうやらスタミナ切れかな・・・・・・」 シンヤの視界は歪み揺れていた。ただでさえ極限の空腹状態にあった彼である。そのうえ装甲を変形させて見せることすらやってみせた。 こうなることは必然といえば必然であった。 「なに、心配はいらないさ。お前は自分の身の心配だけをしてればい」 そこで再び言葉が途切れる。揺れる視界の中、その瞳は突如戦場に姿を現した無敵戦艦の巨体を捉えていた。 「まったく次から次へと・・・」 憎々しげに呟くと凰牙と距離をとったまま右に跳躍する。 無敵戦艦ダイと凰牙とテッカマン、三つの点が線を結ぶ。 (もつか?) (いや、もたせてみせるさ) 一瞬、そんな自問をすると彼は一つの賭けに出た。 「ボルテッカアアアアァァァァァァァ!!!!」 モニターが光に埋め尽くされ、耳を劈くような轟音が鳴り響いた。 「え?なになに??何がおこってるの?」 このロワ最大の巨体を誇る無敵戦艦の膝が崩れ、その内部にあるブリッジも傾いていく。 慌てて慣れない手つきでモニターにかじりつき敵機の姿を探す。ここにはいつものように索敵をおこなってくれる仲間はいない。 映し出されるモニターの映像とレーダーに目を走らせている間にも突然襲ってくる振動とその度に傾いていく床に足を取られて何度もこけた。 やっとの思いで艦後方に大型機を確認したと思ったその瞬間、ダイは横倒しに倒れユリカは床に叩きつけられる。 モニターに映し出されているのはいつの間に接近してきたのか赤いマフラーが印象的な一つの大型機。 その大型機が追撃を加えようとして不意に飛び下がり、ダイとの間に損傷の激しい小型機が上空から割り込んでくる姿が見えた。 「チッ!邪魔が入りやがったか」 「ユリカに手は出させない」 飛び下がった大雷凰を追って残りわずかなマイクロミサイルの残弾全てがYF-21から散布される。それを次々と蹴り砕きながら大雷凰は上空に舞い上がる。 最後の一基を蹴り砕いたとき、動きを予測し先回りしていたYF‐21が差し迫ってきていた。 「勝負だ」 迫る小型機が拳にフィールドを収束させる。 瞬時に体勢を立て直した大型機の両脚が紫の雷光を発する。 再び交錯する拳と脚。大気が震えた。 直に大雷凰の脚と激突したYF-21の拳が砕け散る。 だが、構わずに両腕を失ったYF-21は大雷凰の懐に飛び込み、両腕部の残骸と両脚部をパージ、ファイターモードに移行して――― ―――リミッターを解除した。 YF-21は機首が大雷凰の腹に突き刺さり加速していく。 激しい振動が竜馬を襲う。すぐにそれは耐え難いGにかわった。 なおも加速を続ける二機は恐ろしい速度で無敵戦艦ダイから離れていった。 視界がドロドロに歪み、目の前の光景が一瞬遠のきかける。そんな状態ながらもシンヤは踏みこたえ意識を手放さなかった。 PSYボルテッカを放った直後、かろうじてかわす凰牙が見えた。まったくもっていまいましい。 そんなことに気を取られたのも一瞬、シンヤは巻き上げられた粉塵の中に姿を消した。 「まさかこんな武器を持っていようとは・・・」 油断なく周囲を警戒しつつもロジャーは驚きを隠せずにいた。 (この威力・・・サドンインパクトの比ではない・・・。しかし・・・彼はどこへ?) 巻き上げられた粉塵にロジャーはシンヤを見失っている。 最初は姿を紛らせて接近。不意打ちをかけてくるかと思ったがその気配はなく。どうやら違うようであった。 ならば奴は何を考えて・・・まさか引いたわけでもあるまい――― 不意に粉塵の煙幕が裂け、慌ててロジャーが身構える。 その眼前を悠々とテッカマンとばらされコックピットブロックのみを残したヴァルハラが横切った。 「貴様ああぁぁぁぁぁ!!!」 ロジャーが叫び、凰牙が全速でそれを追おうとして崩れ落ちた。 凰牙の計器が燃料切れをロジャーに告げる。 「くそっ!!こんなときに!!!」 拳を計器に叩きつける。 ガン!! 凰牙のコックピットに無機質な音が響き、血が固く握りこまれた拳から滴り落ちた。 そんなロジャーを尻目に二機はビルの谷間に消えていった。 D-7地区で行われた激しい戦闘がひとまずの終局を迎えてから約十分後、そこに佇む巨大な戦艦と一つの人型機動兵器の姿があった。 「すまない。手伝わせてしまって・・・」 補給を終えた凰牙を起動させながらロジャーはユリカに礼を言う。 「いえ。このくらいのことは当然です。残りのデンドー電池は私のほうで預かっておきますので」 「感謝する、ユリカ嬢。それで君はこれからどうするつもりかね?」 「ひとまずは補給ポイントでア・・・・・・ガイさんの帰還を待ちます。ロジャーさんはやっぱり・・・」 「あぁ・・・、奴を追う。放送時間が迫っている今ならば追いつきクライアントと助けるチャンスもあるはずだ」 そういってサングラスをかけ、その表情を隠した。そこに存在するもう一つの―――リリーナの死の可能性にはあえて触れなかった。 「では時間もない。私は行かせていただこう。また会えるときを楽しみにしているよ」 そういって予備のデンドー電池を手に取り、付近刺さっていた巨大な槍を持ち上げる。 そして、眼前を睨みすえるとテッカマンが消えた方向に向かって去っていった。 まだ太陽が空に残る夕方、大気との摩擦で青白く光る二機の機体は、さながら蒼い流星の如くD-7市街地上空から西北西に伸びっていった。 「馬・・・鹿な・・・貴様、死ぬ気・・・かぁあ゛」 その凄まじいGのかかるコックピットの中で竜馬がやっとの思いで声を振り絞る。 例え機体は無事でもすでに人体が耐えることのできる速度ではなかった。 それはゲッターのパイロットとして鍛えられた竜馬とて例外ではない。そして、無論アキトも無事ではいられない。 二人の腹は想像を絶するGで窪み、皮膚は波打ちその表面には血管がくっきりと浮かび上がっている。 そして、答えを返そうとしたアキトの口から鮮血が飛び散り、彼の意識は閉ざされた。 そのアキトの様子にいずれ自分もと判断した竜馬は、重くなった両手を動かすとYF-21の機首を掴む。 「おおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 そして果てしなく重くなったそれから逃れようと力を振り絞り、抜け出した。 蒼い流星が二つに分裂し、大きい欠片は木々をなぎ倒し森林に堕ち、小さい欠片はその光をたたえたまま大空に舞い上がり雲の狭間に消えていった。 コックピットのハッチに指がかかり、力が加わる。そして金属が悲鳴を上げて引きちぎられ強引に抉じ開けられた。その力が明らかに目の前の者が人ではないことを物語っていた。 嫌な汗が背を伝って落ちる。体が小刻みに震えてとまらない。悲鳴は喉を鳴らし、口をついて出て行こうとする。 しかし、気丈にもその悲鳴を喉元で押し殺し、強い意志の光をその瞳にたたえ、リリーナは目の前の参加者に毅然と向かい合った。 「私は地球圏統一国家外務次官リリーナ・ドーリアンです。あなたとの話し合いをの――」 そこで言葉は途切れ、その続きが紡がれることは二度となかった。 ゴトリ 音をたてて胴から切り離された頭が床に落ちる。続けて残った胴体も崩れ落ちた。血が床に撒き散らされ赤い花が咲いた。 だが、その様子にまったく気をとめる様子もなく彼――相羽シンヤは目的の食料を見つけると冷たい笑みをこぼす。そして、テックセットを解くと食料を貪り始めた。 【相羽 シンヤ(テッカマンエビル) 搭乗機体:無し パイロット状況:テッカマン形態、PSYボルテッカ使用により疲労、空腹解消 機体状況:機体なし 現在位置:D-8市街地 第一行動方針:竜馬を殺す 第二行動方針:ロジャーを殺す 第三行動方針:機体の確保 第四行動方針:十分な食料の確保 第五行動方針:他の参加者を全滅させる 最終行動方針:元の世界に帰る 備考:テックシステムの使用はカロリーを大量に消費】 【ロジャー・スミス 登場機体:騎士凰牙(GEAR戦士電童) パイロット状態:若干体力消耗 機体状態:左腕喪失、右の角喪失、右足にダメージ(タービン回転不可能)、EN満タン 現在位置:D-7市街地 第一行動方針:リリーナの救出 第二行動方針:リリーナを護りながら、参加者へ彼女の完全平和主義を説く 最終行動方針:依頼の遂行(ネゴシエイトに値しない相手は拳で解決、でも出来る限りは平和的に交渉) 備考1:凰牙は通常の補給ポイントではEN回復不可能。EN回復はヴァルハラのハイパーデンドーデンチでのみ可能 備考2:念のためハイパーデンドー電池二本(補給一回分)携帯 備考3:ドスハードの槍も携帯】 【流 竜馬 搭乗機体:大雷鳳(バンプレストオリジナル) パイロット状態:衰弱 機体状態:装甲表面に多数の微細な傷、頭部喪失、右肩外部装甲損壊 、腹部装甲にヒビ、胸部装甲に凹み 現在位置:B-6森林 第一行動方針:サーチアンドデストロイ 最終行動方針:ゲームで勝つ】 【ミスマル・ユリカ 登場機体:無敵戦艦ダイ(ゲッターロボ!) パイロット状態:良好 機体状態:大砲一門破損、左前足損傷、腹部装甲損壊、大砲を一発消費 現在位置:D-7補給施設 第一行動方針:ガイ(アキト)を補給施設で待つ 第二行動方針:補給施設を占拠して仲間を集める 第三行動方針:ガイの顔を見たい 最終行動方針:ゲームからの脱出 備考1:YF-21のパイロットがアキトだと知りませんが、もしかしたらとは思っています アキトの名前はガイだと思っていますが若干の疑問もあります 備考2:ハイパーデンドー電池8本(補給4回分)回収】 【リリーナ・ドーリアン 登場機体:セルブースターヴァルハラ(GEAR戦士電童) パイロット状態:死亡(頭部切断) 機体状態:バラバラ。コックピットのみ 】 【初日 17 40】 高高度に摩擦熱で焼け焦げた戦闘機の姿があった。そして、その焼け焦げたYF-21の中、アキトは生きていた。 大雷凰という大質量の重りがついていたことでYF-21のハイ・マニューバ・モードはその本来の速度まで達することができなかった。 そして、アキトが意識を失った時点からBDIシステムはダウン。機体は失速をはじめ、やがてエンジンは停止し、風に乗って高高度に舞い上がったのだった。 うっすらとその瞼が開く。アキトの目には眼下に大きく広がる雲海とそこに傾いていく太陽が映し出されていた。 そしてほぼ同時刻、すでに人の去ったD-7の戦場後の瓦礫が動き一つの人影がひょっこりと姿を現した。 「まったく。そろいもそろって私を忘れて行くなんて一体どういうつもりなのよーーーーーーーー!!!」 一人寂しく廃墟にその叫びは木霊していった。 【テンカワ・アキト 登場機体:YF-21(マクロスプラス) パイロット状態:衰弱(大) 機体状態:両手両足喪失、全身に損傷、マイクロミサイル残弾0、ガトリンクガンポッド残りわずか、EN残り20% 現在位置:A-6東部高高度 第一行動方針:機体の補給 第二行動方針:無敵戦艦ダイに帰還 第三行動方針:ユリカを護る(そのためには自分が犠牲になってもかまわない) 最終行動方針:ユリカを元の世界に帰す(そのためには手段は問わない) 備考:脚部はD-7市街地に落ちているので回収できたらつけられるかも(?)】 【ソシエ・ハイム 搭乗機体:機鋼戦士ドスハード(戦国魔神ゴーショーグン) パイロット状況:なんでみんな私を忘れていくのよーーーーー!!(機体がガンダム系だと勘違いしています) 機体状況:だるま(両腕両足損失)(AIは取り外され、コクピットが設置されています) 現在位置:D-7市街地 第一行動方針:新しい機体が欲しい 第二行動方針:仲間を集める 最終行動方針:主催者を倒す】 【残り45人】 【初日 17 55】 BACK NEXT それぞれの立場 それぞれの道 投下順 彼らの乗機は強力です 戦場の帰趨 時系列順 アンチボディー ―半機半生の機体― BACK 登場キャラ NEXT それぞれの立場 それぞれの道 ロジャー 依頼主死すとも依頼は死なず それぞれの立場 それぞれの道 リリーナ それぞれの立場 それぞれの道 アキト 休息 それぞれの立場 それぞれの道 ユリカ 追う鬼、追われる鬼 それぞれの立場 それぞれの道 ソシエ 追う鬼、追われる鬼 それぞれの立場 それぞれの道 シンヤ 例え死者は喜ばすとも? それぞれの立場 それぞれの道 竜馬 極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅
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『未知』と『道』 ◆C0vluWr0so ぼんやりとした意識が闇の中を彷徨っている。 どこまでも暗い無意識の海。下に浮かぶのか上へ沈むのか分からない曖昧な感覚。 何処からともなく声がした。問う声だ。 『お前は一体どうしたいんだ?』 ――俺は、帰りたい。アル達が待ってるサイド6へ。 約束をしたんだ。必ず生きて帰って、会いに行くって。 会いたいんだ。まだまだ話したいこともあるし、聞きたいこともあった。 『そのために殺すのか?』 ――仕方ないじゃないか! 最後の一人にならないと帰れない。 それが分かってて、それなら殺すことだって考える。 戦争と同じなんだよ、殺さなきゃ生き残れない。 『戦争と同じだって? それは違うさ。お前は今、自分のために人を殺そうとしている。 上から言われるままに戦えば良かった戦争とは、全く違うんだよ。我が侭なガキの言い分だな』 ――それでも……我が侭でも、俺はみんなに会いたいんだ。 『殺して生き残って、それでもアルやクリスに会えるのか? 人殺しの癖に胸を張って会いに行くのかい?』 ――それは…… 『そら、やっぱりお前はそういうやつなんだよ、バーナード・ワイズマン。 いつも考えが足りない。だから大切なモノも失くしてしまう』 ――うるさい! うるさいうるさい! だいたいお前は一体誰なんだよ! 何でそんなことを言うんだよ!? 『まだ気付いてないのかい、バーニィ?』 ――くそっ……! 何で俺が……何で! 『そうだ。俺はお前なんだよ。俺の言葉はお前の言葉だ。俺の考えはお前の考えだ。 ……さぁ、もう一度聞くぞ。――お前は一体どうしたいんだ?』 ――俺は……俺は……! ◆ 意識の反転。バラバラだった意志は手繰り寄せられ、一つの纏まった思考へと変化していく。 視界は暗い――が、周りに広がっているのは視認できる夜の闇だ。出口の見えない暗黒ではない。 自分が夢を見ていたのだと気付くのと同時に膨れる疑問。 ……此処は何処だ? 意識が断絶する一瞬前まで、自分は交戦していたはずだ。 虫のような機体に、後から乱入してきた二機。自分も含めて四機の戦闘。 自分が気絶していた間に全て終わった、ということなのか? でも、それならなんで俺は生きてるんだ? 他の機体は何処へ行ったんだ? 段々と戻ってくる身体の感覚は平時のそれとは全く違う。 後ろ手に縛られている=身動きが取れない=危険。単純明快な理論に涙が出そうになる。 暗順応を起こした視細胞が、次第に暗闇の中に立つ人影を認識し始めた。 (……仮面? 男なのか? 俺を縛ったのも……?) 薄暗闇の中、はっきりと姿を確認することは出来ないが、目の前の男が自分の生殺与奪権を握っているという事実に緊張が走る。 向こうはこちらが目覚めたということに気付いているようだ。じっとこちらを見つめたまま、動かない。 もっとも、顔全体を覆う仮面のせいで、男の視線が本当に自分に向けられているのか分からないのだが。 そのままどれくらい見つめ合ったのか。仮面の奥で男が笑ったような気がした。 そして声が響く。 「お目覚めかね?」 「……ここは何処だ? あんたは一体誰なんだ!?」 「落ち着け。君が私の話を聞いてくれるのなら悪いようにはしない。 まずは君の名前を聞かせてくれ。私の名はユーゼス=ゴッツォだ」 「……ジオン軍所属のバーナード=ワイズマンだ。あんた……俺に何をする気なんだ?」 「落ち着け、と言っている。悪いようにはしないともな。 ……そうだな、それでは逆にこちらが聞こう。ワイズマン、君は一体どうするつもりなのかとね。 君はこの基地に来る前に青い機体と交戦したはずだ。今現在私はそのパイロットと行動を共にしている。 勿論君のことも聞いている。奇襲を仕掛けてきた危険なパイロットとしてだが……」 ククク、と実に愉しそうにユーゼスと名乗った男は嗤う。 一挙一動が周囲に邪悪さと悪意を撒き散らしていく。 それを全く隠そうとしないのは、ユーゼスが絶対的優位に立っているからだろうか。 こちらはユーゼスの余裕とは逆に、焦りがどんどん募っていくというのに。 ……不味い。ここで下手なことを喋れば、縛られたまま殺されるというのも十分にあり得る。 何せ此処は、『殺し合い』をする場所なんだから。 けれど、士官学校を卒業したばかりで、軍に配属されてから間もなくて。 「俺は……死にたくなかっただけなんだ」 ろくに実戦経験も無く、それどころか女の子を口説くのさえ下手な俺じゃあこんな時に上手いことなんか言えっこない。 「死にたくなかったから他者を殺そうとした――いや、それとも既に殺したのか?」 「……」 何も言い返せない。言葉さえ浮かばない。 だからコクリと小さく頷いて、それに肯定の意味を込める。 だが、何故かユーゼスの両手がパチパチと乾いた音を立てる。 「そうか。だが……それの何がおかしい? それは人として当たり前の感情だ。 私がその程度のことで君を軽蔑するはずがない。むしろ、その生きようとする強い意志に賞賛の拍手を送ろう」 ……今、何て言った? ここにきて――ようやくバーニィは、目の前の人物の本当の異常性に気付く。 例えば自分が人生経験もろくにない新兵だとか、相手の仮面の所為で表情が掴みにくいだとか。 そんなことを抜きにしても『この男が本当に心の底から、一つの偽りも無くこの言葉を吐いたということは間違いない』と言い切れる。 殺される殺されないの問題じゃない。喰われるのか、喰われないのか、だ。 「俺を縛ったのは……あんたなのか?」 「そうだ。だが心配する必要は無い。君が生きていると知っているのは、私だけだからな。 同行している面々には、この基地には生存者はいない、と伝えておいた」 『心配する必要が無い』だって? 俺が生きていると知っているのは自分だけだと、あんたは言った。 それはつまり――『俺を殺しても、誰も何も気付かない』ってことだろう? 『私は何時お前を殺しても構わない』という脅しなんだろう? 「あんたの仲間ってのは何人いるんだ?」 「三人だ。内二人は此処にはいないがな。……そろそろ、本題に入ろう。私は君に協力して欲しいと思っている」 「協力? 何の?」 「『これ』と……その先にあるものだ」 そう言ってユーゼスは、右手を首元へと向ける。 つまり……ユーゼスの目的は首輪の解除だということか? その先にあるもの……あの化物? まさか……アイツを倒すつもりじゃ…… 「目途は立っている。後はチェックメイトまで持っていけるだけの『駒』を揃えるだけだ」 「だから俺に……駒になれって」 「そういうことだ。しかし、決して無理強いをするつもりはない。君がノーと言うのなら仕方無い」 ――選択の余地は無かった。相手の言葉に従わない限り、俺に生きる道は無い。 なのに、何故か分からないけれど、イエスと言えない自分がいた。 このままユーゼスの言うがままに動けば、死ぬことよりも更に恐ろしいことになる。 そんな予感がしたのだ。 「まあいい。無駄に出来るほどではないが、熟考するだけの時間はある。しばらくここで考えているといい。 私たちと共に生きて帰る道を選ぶのか、それとも……」 ユーゼスはまた嗤う。闇に笑い声が吸い込まれていく。まるで、悪魔が嗤っているような気がした。 ◆ 地下発電所を離れたユーゼスが次に向かったのは基地施設の中でも特に重要な場所。 広大な基地の中でも一際目立つ演習場――そのすぐ近くに存在する『開発部』だ。 基地の端末にはただ『開発部』とだけ記されていたが、演習場が近くにあるということから考えて、おそらくは新装備の設計・開発、及び調整などを任されていた場所だろう。 当然、それなりの施設も備わっているはずだ。或いは、首輪を外せるほどのものが。 だが、このフィールドを用意したのが誰かを考えれば、そこまで楽観的な予想をすることも出来まい。 せいぜい解析の補助が良いところだろう。勿論今の状況からすればそれでも十分すぎるほどの収穫ではあるのだが。 「むしろ一番の収穫は、あの男かもしれんな……」 バーナード=ワイズマン。まだ年若いあの男は、悪くない駒だ。 支給された機体のスペックもあるだろうが、数回の戦闘を経てもまだ生きているというだけで無能ではないということは分かる。 かといって、決して自分の力を過信することなく――むしろ、自分の弱さを知っているからこそ、この殺し合いに乗ることを決めた。 死の恐怖から逃れることを原動力とする人間ほど扱い易いものはない。少し『道』を見せてやるだけで、どうとでも動いてくれる。 その点では、なまじ力を持っているために下らない良識の枷に囚われているベガやカミーユよりも期待できる存在だ。 問題はこのカードを何時使うかだが……まぁいい。まだ『仕込み』も完全ではない。より完璧に御することが出来るまで、ワイズマンは隠しておく。 下手に中尉に見せれば、いらぬ誤解を招くことになる。それもまた一興ではあるが、好手ではない。 次に手を打つべきなのは――『これ』だ。我々の命を握る、物理的な枷。 まずは邪魔な首輪を外す。首輪の構造には、既にアタリをつけている。 予想自体が未知の技術込みであることが癪だが、おそらく大きくは外れていないはずだ。 ……それに今の私には、これがある。 ユーゼスは、操縦する手を休め、コクピットを撫で始める。それは、ユーゼスにとっては三機目の機体。 ……十分なエネルギーを手に入れ、第二段階へと成長したメディウス・ロクスとAI1。 自己進化の概念を持つプログラムと、それを支える高性能電子頭脳を持つこの機体ならばこの枷を読み解く大きな鍵となってくれるだろう。 「……ここか。思っていたとおりめぼしい物は無いようだが……」 『開発部』に到着したユーゼスは、早速周辺の機器の調査を始める。 AI1がエネルギーを吸収していたために止まっていた基地内部への電源供給も、メディウスの復調と共に復活している。 外部の人間から奇襲される危険性を考え、こちらの居場所を示す照明の類は消したままにしてあったが、内部機器を動かすのに問題は無い。 ユーゼスは次々と基地施設の電源を入れ、その機能を逐一確かめていく。 だが調査の結果は芳しいとは言えない。ただ単に首輪を分解するための器具ならいくらでもあったが、肝心の赤い宝玉の解析に役立ちそうな機械は無かった。 現在の設備で出来るのは宝玉以外の部分――つまり、純粋に機械である箇所の解析だけだ。 しかし。 ユーゼスには、この赤い宝玉を解析する鍵は既に手に入れているという確信があった。 それはB-5で回収した首輪だ。この変質した首輪――おそらくこれが、アインストという未知を解析する最大の手がかりだ。 これを回収してから数時間が経った。 最初に手に入れた時点で、既に通常の首輪とは大きく違う変化を遂げていた。 だが驚くべき事に、時間の経過と共に首輪の変質は更に進んでいる。 この変化が鍵だ。我々の首輪には、時間の経過と共に変質していくという性質は無い。 おそらくこの変化は、首輪を用意したアインストさえ想像していなかった偶然の産物だ。 ……だからこそ、あの異形の化物の裏を掻くことが出来る。 首輪の変化を観察し、パターン化することで手の届かない宝玉内部の状態を調べることが出来るはず。 変化の解析はAI1を使う。その性質上、簡易ではあるがメディウスにも解析装置は備わっていた。 自己進化のプログラムの中には、この変化と同様のアルゴリズムを持つものもあるかもしれない。 AI1に同類のプログラムがなければ、変化のパターンを分析させ、作ればいいのだ。 変質の規則性さえ掴めれば、そこから逆算し、通常の首輪についてもコア内部の予測が出来るだろう。 ユーゼスは変質した首輪を、AI1の解析装置にかける。 こちらの首輪に関しては、時間の経過を待つことしかできない。 「半壊した方を分解する前に……ベガと連絡を取るか」 ワイズマンとの接触、解析機器の探索に時間を掛けすぎた。 ベガは基地の警備を続けているはずだが、長時間の単独行動は不要な問題を抱え込む要因になりかねない。 ……ベガには、首輪についてある程度説明しておいた方が役に立つかもしれんな。 コア以外にも首輪について幾つか分かっている事柄はある。 ただの人間が気付けることなどたかが知れているが、あらかじめ情報を与えておくことで少しはマシな発見が出来るかもしれない。 (……盗聴の危険性を考えると、視覚的に確認できる形に纏めておいた方が都合が良いな。 いざとなれば即座に処分出来る紙媒体が適切だろう) 周囲を物色すると、筆記用具はすぐに見つかった。 さらさらと首輪に関する情報を書き進めながら、ローズセラヴィーとの通信。 「……ベガか? 一度合流し、話しておきたいことがある。場所は中尉達と別れたところだ」 『了解しました』 ◆ ユーゼスからの通信から数分後、ベガは待ち合わせ場所に到着した。 それから遅れること更に数分、ユーゼスも到着。 しかし……ユーゼスの乗機は、ベガの見知らぬ物に変わっている。 どこか禍々しさを感じさせるその姿に、ベガは不安を覚えながらもユーゼスへと通信を入れた。 「ユーゼス、今のところ基地に近づく人間はいませんでした。そちらはどうですか? どうやら、機体が変わっているようですが……」 「上々だ。機体に関しては……探索の途中でこの機体を発見した。 この機体の名は……『ゼスト』だ。どうやら我々の来る前から此処にあったようだ。 既にパイロットは死亡していたが、この機体には自己再生能力があるらしい。戦闘には問題ない。 メリクリウスの防御力は魅力だが、この機体の方が総合的に優れている」 ユーゼスの言葉に納得しながらも、どこか受け入れることが出来ない自分がいることにベガは気付く。 あくまで自分たちの乗機は兵器に過ぎない。生きるか死ぬかの瀬戸際で、たかが道具にこだわってはいられない。 それでも、ユーゼスの行動は余りにも合理的すぎる。まるで感情が欠落しているかのように。 中尉の愛機だというアルトアイゼンを乗り捨てたときもそうだ。 自分も反対はしなかったが、機動兵器乗りにとって、自分の愛機とは家族のようなものだ。 あそこに乗り捨てていったことで、中尉との関係の悪化を招いていたかもしれない。 けれど、ユーゼスは他者との関係に全く気を払っていない。カミーユに敵視されようと、まるで他人事のように振る舞っている。 「それともう一つ報告しておくことがある。 メディウスをチェックしてみたところ、OSに細工の跡があった。 カミーユには黙っていた方がいいだろうが……カズイの仕業だ」 「――! 彼が、メディウスの乗っ取りを謀ったと? 中尉はそのようなことは言っていませんでしたが……」 「不器用な男だということだ。カミーユとの衝突も避けられただろうに……死者の悪行を自己の正当化の理由には使えない、といったところだろうか」 「……二人が戻ったときに、私の方からそれとなく話してみます。 カミーユには信じ難いことかもしれませんが…… それでユーゼス、話したいこととは?」 ようやく話が本題に入り、ユーゼスは機体から降り、ベガにも同様に降りるように促す。 ベガがユーゼスの側まで近づいたところで、ユーゼスはベガに数枚の紙を差し出した。 「これは?」 「黙って見てくれればいい。重要な案件だ」 その紙には、こう書かれていた―― ―――――――――――――――――――――――――― 盗聴の危険性を考え、口頭ではなく紙を用いて情報を伝える。 おそらく今後も重要な話題に関してはこの形式を使うことになるだろう。 紙を使ったのは緊急時の隠滅のしやすさを考えてのことだ。 いざというときには即座に破棄することを徹底しろ。 今回伝えたいことは、「首輪」に関する情報だ。 私たちが所持している首輪は二つ――それに加え、各自の首の数だけあるわけだが、ここでは無視しよう。 この二つの首輪を回収したことで、私たちは幾つかの情報を得ることが出来た。 参考までにだが、それを基にした私の推論も書いておく。 ◆事前にアルフィミィから得た情報 首輪の爆破条件について →禁止エリアへの侵入 →首輪を外す行為、及び強い衝撃 →24時間以上死者が出ない 一つ目と三つ目に関してはアルフィミィの言葉をそのまま信じるしかない。 だが、二つ目に関しては違う。基地で回収した、半壊の首輪。 壊れるほどの衝撃を与えたにも関わらず、首輪は爆発していない。 それに加え、あれほどの損傷を受けているため、容易に首から抜け落ちる。 つまり、この首輪は、首輪を外すという禁止行為にも抵触している。 何故この首輪は爆破されなかったのか? →首輪には更に複雑な爆破条件がある? →例えば死亡後は爆破せず? →明らかに死亡するようなダメージには敢えて反応せず? (アインストならば個々人の耐久力も熟知している可能性大) この問題に関しては私たちが知らない首輪のメカニズムが存在しているはず。 現段階では特定は不可能だが、そのメカニズムを逆手に取れば首輪解除に利用可能? ◆首輪に付いた赤い宝玉 宝玉の有無で首輪に変化? →中尉の話から首輪の制御装置の可能性も 中尉の話を聞く限り、この赤い宝玉はアインストの技術によって作られた物。 宝玉の破壊で変質した機体が元に戻るといった事例もある。制御装置の可能性大? 優先して調査の必要有り。 B-5で回収した首輪 →宝玉があるにもかかわらず通常の首輪とは異なる形状 →制御装置である宝玉が暴走? →時間の経過と共に形状の変化は続いている この首輪はイレギュラー的存在? 宝玉の暴走だとしても何らかの外部的要因は存在するはず。 今後の変化によっては爆弾としての機能を停止する可能性有り。変化を逆算することでオリジナルの推測も? ◆首輪解除に関しての今後の方針 内部の解析と赤い宝玉の機能解明 →半壊した首輪から内部機構を確認可能 →変質済み首輪の変化次第で宝玉の機能解明? ―――――――――――――――――――――――――― ―――――――――――――――――――――――――― ◆アインストの目的と今後の我々の行動方針 アインストの目的は? →過去のそれと変わっていないのなら人間という種の観察? →人間という種の抹殺を目的にするには非効率過ぎる 観察というなら首輪が適任ではある。首輪から生体情報を取得しているのなら、それが首輪爆破の条件に関与の可能性も。 たかだか数十人を殺すだけならばこのような大がかりな舞台を用意する必要も無い。 異なる世界から人間を集めたのは多様性の確保のためか? 我々の最終目的 →可能ならばアインストの打倒。最低でも脱出 →出来る限り多くの人間を救出 脱出について →四方を囲まれた空間(調査の必要有り) →脱出しても再び連れ戻される可能性(やはり打倒は必須か?) まずは首輪の解除と同時進行で同士を集める必要有り。 出来れば首輪の解除、この空間の調査、殺人者の撃退、他者の保護を複数のグループで分担。 この殺人ゲームに乗った人間に対抗するための戦力は必須。 今後の方針 →重要な拠点である基地を守りながら他者と接触 →ある程度の人数が揃った時点で複数のグループに分け各自で行動 ―――――――――――――――――――――――――― 「まだ足りない部分はあるが、今後の指標にはなるはずだ」 「さすがですね、ユーゼス! 何時の間にここまで考えてたのかしら」 「それはあくまで予想であり、決して真実ではない。重要なのはその場その場での判断だということを忘れてもらっては困る」 「ええ、分かっています。ですが……これは私たちの希望となりうるものです」 ユーゼスを真っ直ぐ見つめ、大きく頷くベガ。彼女は考える。 ……彼は確かに誤解されやすい。けれど、その願いは……生きて帰ろうとする意志は同じなんだと。 彼の無神経な振る舞いが仲間との衝突を招くかもしれないが、そこは自分が上手くフォローしなければならない。 それが仲間としてしなければいけないことだ。ユーゼスも私たちの仲間なのだから。 そして彼女は確信する。 ……ユーゼスがいれば、必ず生きて帰れる。 我が子のことを、思う。帰らなければいけない。死ぬわけにはいかない。 今の彼女にとって……ユーゼスは、まさに『道』に見えた。 【ユーゼス・ゴッツォ 搭乗機体:メディウス・ロクス(スーパーロボット大戦MX) パイロット状態:良好 機体状態:第二形態へ移行完了 良好 現在位置:G-6基地 第一行動方針:半壊した首輪の解析 第二行動方針:AI1の育成、バーニィへの『仕込み』 第三行動方針:首輪の解除 第四行動方針:サイバスターとの接触 第五行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒 最終行動方針:主催者の超技術を奪い、神への階段を上る 備考1:アインストに関する情報を手に入れました 備考2:首輪を手に入れました(DG細胞感染済み) 備考3:首輪の残骸を手に入れました(六割程度)】 【ベガ 搭乗機体:月のローズセラヴィー(冥王計画ゼオライマー) パイロット状態:良好(ユーゼスを信頼) 機体状態:良好 現在位置:G-6基地 第一行動方針:G-6基地の警護 第二行動方針:首輪の解析 第三行動方針:マサキの捜索 第四行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒 最終行動方針:仲間を集めてゲームから脱出 備考1:月の子は必要に迫られるまで使用しません 備考2:ユーゼスの機体を、『ゼスト』という名の見知らぬ機体だと思っています 備考3:ユーゼスのメモを持っています】 【バーナード・ワイズマン(機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争) 搭乗機体:なし パイロット状況:頭部に軽い傷(応急処置済み)、後ろ手で柱に縛りつけられている 現在位置:G-6基地地下発電所 機体状態: 第一行動方針:ユーゼスに協力するのか選択 最終行動方針:生き残る】 【メリクリウス(新機動戦記ガンダムW) 機体状況:良好 現在位置:G-6基地内部】 【二日目3 30】 BACK NEXT 何をもって力と成すのか 投下順 決意と殺意 これから 時系列順 何をもって力と成すのか BACK NEXT 謀 ―tabakari― ユーゼス 解し得ぬ存在 謀 ―tabakari― ベガ 解し得ぬ存在 謀 ―tabakari― バーニィ 解し得ぬ存在
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流 竜馬 氏名 流 竜馬 性別 男 出典 真(チェンジ!)ゲッターロボ 地球最後の日 人称 一人称:俺 二人称:お前、てめえ 三人称:あいつ、奴 特殊技能 元となっている漫画版の設定だと、父親から教わった空手の達人。その腕前は殺し屋三人を返り討ちにし、全国武道大会なるものに乗り込んで数十人をぶちのめすほど。爬虫人類も簡単に倒します。 性格 元は熱血漢で好青年だったが、現在は復讐鬼に。ゲッターチーム崩壊を招いた(と思っている)隼人と早乙女博士を倒せれば後のことはどうでも良いらしい。 備考 他シリーズの竜馬と比べて目立つのが、賢いことである。月のドッグで初代ゲッターをブラックゲッターに改修したり、ガニメデが月より大きいこと知っていたり。
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月のローズセラヴィー 機体名 月のローズセラヴィー 全長 52.3m 主武装 ビーム 指、胸、脚など、全身に搭載されたビーム砲。 ルナ・フラッシュ ビームを指先に集約させて、カタナのように攻撃を繰り出す。 Jカイザー 月のローズセラヴィー最強の攻撃。分離した背部と両腕の装甲を組み合わせて巨大な砲身を作り出し、超大出力のビームを放つ。威力は強大だが全エネルギーを撃ち放つため、エネルギーのチャージは必須。 特殊装備 エネルギーチャージシステム “月の子”らを空高く飛ばし、気象を操り空に雷雲を形成。天高く飛ばした“月の子”を通じて、雷のエネルギーを自機に送るシステム。これにより消費したエネルギーを一気に全快させる事が可能となっている。“月の子”らの数は合計で三基。“月の子”は一度の使用によって使用不可能となる。 移動可能な地形 空中× 陸地○ 水中△ 地中× 備考 ビームを主武装とする八卦ロボの一機。くれぐれも、沢のローズセラヴィーと呼んではならない。元々は次元連結システムのレプリカが搭載される予定であったが、木原マサキの裏切りによってシステムは破壊。激し過ぎるエネルギーの消費を抑える為に、チャージシステムが用いられる事となった。